無料だからこそ、筑波大学のVPN Gateは危険性を抱えています。
というのも、VPNを運営する企業では、各国に数多くの中継サーバーを用意しなければいけません。そうなると、当然運営コストがかかります。
ではなぜ、筑波大学のVPN Gateが無料で運営できるのでしょうか?
それは中継サーバーを各国の無償ボランティアが設置・運営しているからです。
では、その無償ボランティアって誰のことでしょうか?残念ながら、私達にはその素性を知る術がありません。
もしそのボランティアが、何らかの悪意を持って中継サーバーを運営しているとしたら…。
もちろん全てのボランティアの方がそうだと考えたくはありませんが、無償である限りその可能性を完全に消し去ることはできません。
実際に筑波大学では、中継サーバーでの責任の所在はないと明言しています。
各公開VPN 中継サーバーの管理責任は、各中継サーバーの運営者にあります。
引用:実験への参加
気軽に無料で利用できる筑波大学のVPN Gateだからこそ、その危険性やデメリットを十分に理解した上で活用を判断してみてはいかがでしょうか?
筑波大学のVPN Gateを接続したときの安全性
冒頭で説明しましたが、中継サーバーの無償ボランティア以外では安全性は問題ありません。
オンラインショップでのクレジットカード番号情報などを入力せずに、ネットフリックスやamazonプライムなどの視聴目的であれば、なおさら心配しなくていいでしょう。
また一般の無料VPNであれば、運営費用を賄うためにユーザーの通信内容や使用状況ログを業者に売却する可能性があります。
ところが、筑波大学が開発したVPN Gateは以下3つの課題について学術研究が目的です。
- サービス品質向上と利益の享受
- 個人情報の保護と悪用の阻止
- 通信情報の盗聴阻止
また、国立大学であるので収益目的の活動ができません。
また、有料化で行政命令に従う義務を避けたい思惑もこのプロジェクトにはあります。
以上の理由から、無料であってもあなたの個人情報は守られることでしょう。
筑波大学VPN Gateのデメリット3つ
ここまでで安全性について把握できたかと思いますが、さらに筑波大学のVPN Gateについて知っておくべきことがあります。
有料VPNと同じ期待感で使用すると、後悔するからです。
3つのデメリットまで分かったうえで、ダウンロードをして使いましょう。
筑波大学のvpnは繋がらないことがある
既存のVPNプロトコルと互換性もあるソフトウェアをインストールするだけで簡単に利用できますが、必要なときに使えない苛立ちを感じるかもしれません。
繋がらない理由として、VPNサーバーを運用するボランティアが運用を停止した場合があります。
あくまでもボランティアなので、早急な改善を促す訳にはいきません。
また、回線速度も高水準で保たれてはいません。
そのため、できるだけアクティブで利用者が集まっていないVPNサーバーを見つけなくてはいけません。
いつまで利用できるかわからない
筑波大学VPN Gateは立ち上げから8年以上経過しています。
立ち上げ当初に掲げられた目標の8年は達成されたため、いつでもサービスが終了する可能性があります。
実際に筑波大学でも何かあれば終了することを明示しています。
万一避けることができない理由 (たとえば技術的な問題、法的な問題またはプロジェクトメンバーの問題) が発生した場合は、サービスは早期に終了するかも知れません。
引用:VPN Gate サービスは何年間継続提供される予定ですか?
利用者にとって、サービスがいつ終了するか分からないのは気が気でないでしょう。
アクセス禁止の要請を受ける場合がある
海外移住者で筑波大学VPN Gateを使用し、移住国の政府や組織による検閲・規制をくぐり抜け、ゲームやネットフリックスなどを楽しみたい人もいるでしょう。
もしあなたの住んでいる国がvpnによる他国ウェブサイトへアクセス禁止の要請をした場合、その特定地域の法令に遵守すべき合理的な理由に妥当性があれば、筑波大学VPN Gateは利用できなくなります。
筑波大学VPN Gateの学術研究と要請を照らし合わせることになります。
大学側が要望を聞き入れないことを希望しますが、ユーザーにとっては良い結果を祈ることしかできません。
まとめ
筑波大学VPN Gateを使用するうえでの危険性について解説してきました。
無料VPNながらも、学術研究の理念に沿って上手に運営されています。
ただし、過度な期待をすることは避けましょう。
取り巻くすべての状況を把握してうえで、自己責任で楽しんでください。